2014年10月18日土曜日

一番高い塔のうた  ランボー、私訳

 

 若い暇な日よ
 完全に隷属した、
 繊細さによって
 ぼくは人生を失った。
 ああ時よ来い、
 惚れ込むような時よ。

 放っといてくれと自分に言った、
 そして誰もきみを見なかった、
 そして彼女に何も約束しなかった、
 一番の悦びも。
 誰もきみを止めはしない、
 ごたいそうな引退と年金生活。

 ぼくはすごく我慢した
 忘れられないほどに
 疑いと傷み、
 空もその一部だった。
 不健全な渇き、
 ぼくの静脈を黒く濁らせて。

 草原のような、
 お仕着せの忘却のなか、
 大きくなり花咲く
 香りと毒麦が、
 止めようのない羽音、
 百匹もの汚い虫たちの。

 ああ、千のやもめ暮らし
 かくも貧しい魂の、
 イメージしか持たない
 ノートルダムの!
 彼ら彼女らは
 処女マリアに祈るのか?

若い暇な日よ
完全に隷属した、
繊細さによって
ぼくは人生を失った。
ああ時よ来い、
惚れ込むような時よ。



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