2013年8月28日水曜日

李良枝の小説『ユヒ』を読み始めて

李良枝の小説を読み始める。ユヒ、という小説。評論で読んで、気になった作品だ。なぜかこの作家の作品には惹きつけられる。風景描写でさえ、目を離せないリズムがある。韓国、というのは韓国語のほとんどできないぼくにとっては、通り過ぎる風景に過ぎないかもしれないが、ユヒという留学生にとっては違う。
ぼくは日本の大学を休学していたとき、一枚のハガキを韓国からもらった。
フランスから帰って、自分にはどこにももう行くにも居場所がないと思っていたから、その仏像の写っている写真ハガキに、心を動かされても、そこに自分が行くとは思えなかった。
それから回復して、2度、韓国には行った。一度は逃げるように、日本から出たくて。
自分の頭は英語とフランス語と少々のモンゴル語でいっぱいで、新たに言語を詰める余裕はないと思っている。
だけど、ユヒ、という小説を読んでいると、何だか、心が内側から痛むのだ。
一体自分の居場所はどこなんだろうと。
勝手に自分の気持ちをこの小説に添えてしまう、そういう読み方をしています。

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